モットーになった友
それほど多くの友は持ちませんが、思い浮かぶ友は個性的で心の部屋を共有しています。
どの人も、それぞれにその人となりを主張し、似通った人は案外居ないものです。
そんな友人の中で人生のモットーを分けてくれたのがSきのこ氏でした。
随分昔のことですが、趣味のきのこ会で偶然出会い旧友となった人です。自宅が近かった
事もあり親交が深まりました。
会うときはいつも「お久しぶり、元気だった?」別れるときは「それじゃ〜、又会いましょう〜」
変わらない笑顔で迎えてくれて、変わらない笑顔で見送ってくれます。人なつっこい笑顔に会
うと誰でも嬉しくなってしまうことでしょう。だからでしょうか?彼の周りには、飲み友達や趣味の
友や旧友など、お付き合いの幅も広いようです。
出会った頃からSきのこ氏が口癖の様に言っていました。「自分で楽しみを作らないとね〜」
「1回の人生よ〜」まさに、その様な生活の実践者でもありました。
努めてその様に生きているのか?才能なのか?未だに彼の不機嫌な姿を見たことがありま
せん。毎日早朝から散歩に出かけ、ついでに空き缶を拾ってボランティアの一仕事、爽やかに
職場へ出勤・・・どうも平日のパターンが出来ているようです。
休日は山や海を散策し、きのこや山菜を頂戴しては友人知人にお裾分け。海岸沿いでは、貝
やわかめの海の幸。温泉に浸かってお肌はつるつる???
そして、「良いね〜財産ですね〜」を目尻を下げながら連発し、そんな人を見ていると、心から
楽しくなり「人生は楽しい!! これからだ〜」っとやる気と勇気が湧いてくるのでした。
愉快で楽しいばかりと思っていたSきのこ氏にも、背負いたくない荷物をリュックに入れてい
ることが、その後少しずつ解ってきました。
人生では、誰にでも平等に荷物が用意されているものなんでしょうか?
背負いたくない自分の分を与えられて、「自分で楽しみを作る」その言葉の重さも解ってきま
した。
だからこそ、その人は変わることのない気になる人であり、楽しい友。そしてその人の言葉は、
生きるモットーになりました。
「楽しく 誠実に 美しく生きる」私のモットーの1番目に根付きました。